2014年1月31日金曜日

1. それはある夜、お風呂に入ろうとしていた矢先でした

刑事さんから連絡を受けるというのは、これが人生初めてではありません。
(これについては後ほど書こうと思います)

ただ刑事告訴を自分が受けるという事態は初めての経験。

さすがの私も、ここ数日食欲がなくなり、お腹が少しへこみました。

ただ出産をしてから、少しおなかが膨らんでいたので、ちょっとしたダイエットにちょうど良いと思うようにしています。

ことの発端は・・・

2013年1月28日夜、風邪気味という事もあり、さっさとお風呂に入って寝ようとしていた前に、ふとマナーモードにしてあった携帯電話を見ました。

着信履歴で福島ナンバーが着信ふたつと留守録がありました。

なんだろうと早速聞いてみると、「もしもし、私福島県のいわき南警察署刑事課のAと申します。お話ししたいことがありますので、折り返しこの電話に頂けると幸いでございます。」

とても丁寧な口調でしたが、いったい何なのだろう。。。

しかしお風呂のお湯も入れてしまったところなので、冷めるのももったいなく、さっと入ってから電話をすることにしました。

4歳の息子はこの日、咳がひどかったので、私一人で入り、その間、息子はふとんの上でブロック遊びをしていました。

(私と息子は、福島事故後、東京に3月15日、最も濃い放射能雲が来ていた時に外にいたものですから、私は息子が咳をするたびに思い出し、少し落ち込んでしまいます。)

警察に電話をすると、ご本人は既に帰り、部下の方が電話に。

「いや、本人はもう帰ってしまい、私は細かいところまではわからないのですが、概略は聞いています。」

ということで、尋ねてみると、こちらの警察の方も「お忙しいところ、大変恐れ入りますが。。。」とても丁寧な口調で説明が始まりました。。

私は母が福島出身なので、子供の時よく聞いたなじみのある福島なまりです。

「あの、鎌田陽子さんが苦情を言っているんですね。。」

「え、鎌田さん?鎌田さんって誰ですか?鎌仲さんではなくって?え、鎌田さんって誰でしたっけ?」

恥ずかしながら、私の記憶力には非常にムラがあります。

人の顔と名前を結びつけるのはてんでだめです。

自分が非常に大事だと思う出来事の内容だとか重要登場人物の表情だとかは、細かい点までしつこく覚えていますが、自分にとってアクセサリー的な情報はすぐに忘れてしまうのです。

安東量子氏の本名が鎌田陽子という事は知って、自分でツイートをしていたのですが、ここ半年くらいは、エートス問題が既に多くの人に広まっていると考え、まったく安東量子氏(鎌田陽子氏)のツイートをせず、鎌田という名前さえぱっと思い浮かびませんでした。

そして実は、この2か月、部屋の引っ越しなどもあり、福島事故後、初めてあまり頭を使わず、息子との時間を楽しみ、12月13日に行った米国大使館前デモの他は、比較的ゆったりと毎日を過ごしていました。

事故が起きたのは息子が1歳4か月の時。

それから私は被曝関係の翻訳本の出版、記者会見、講演会、市民団体のイベント、ネットでの発信や日英ブログの作成、そしてここ2013年は国連その他への発信で米国や欧州まで子供の手を引いて福島の現状を訴えてきました。

2013年9月以降、ネット上の私への誹謗中傷が、一見仲間と思われる人々からも散見されるようになり、また、ツイッターのフォロワーが意図的に外されて、まったく数が増えなくなってから、私はもうネットでの運動は潮時であると考えていました。

同時に、ほんの少し、バーンアウトというか、なんだかずっと走ってきて、少し頑張りを緩めたくなっていたのです。

信じないかもしれませんが、私はもともと、のんびりした性格です。

原発事故、被曝問題という、のっぴきならないことがあったので、スイッチが入り、がんばっていましたが、少しだけ休みたくなっていました。

考えてみたら、沖縄に来てから2年半、私は息子を沖縄の観光地にほとんど連れて行ったこともなかった。遠出と言ったら、辺野古や高江の座り込みイベントとか、そういうものでした。

そこで、フォロワーが減ったあたりから、ああもっと息子との時間を普通に楽しもうと思い、日曜になると、のんびりとローカルバスに乗って純粋な観光地に行くようになりました。

「ママ、今日もとても楽しかったね~」というニコニコ顔の息子の喜ぶセリフを聞くのが私の余暇時間の楽しみになり、以前のように息子の前でさえ、パソコンとにらめっこということはほとんどなくなっていました。

おりしも、同マンションで日当たりと見晴らしのよい部屋が空いたこともあり、引越しをすることになったのですが、それもあって、荷物の整理をしたり、息子が欲しがる「こたつ」を購入して模様替えをしてみたりと、日常をふつうに楽しむ時間が増えていたのです。


警察の方の「エートス」という言葉を聞いて、やっと結びつきました。。。俄然、テンションが上がりました。

「エートスの安東量子さんですか!?え、ずいぶん前からの話ですが、なぜ今頃!」

「そうなんですよ。ずいぶん前からこの話はあるんですが。。。」

「お巡りさんはご存じなのでしょうか?エートスのことを!福島では大変なことが起きています。子供たちの命と健康が危ない。警察に文句を言いたいのはこちらのほうです!」

2に続く

 *エートスとは、汚染地帯で子供たちや妊婦を含める住民が自分たちで除染をしたり、線量を測ったりして工夫しながら住み続け、結局子供たちの大半が病気になってしまったのに、この一番大変な問題を無視され、チェルノブイリでも、そして今福島でも推し進められている原子力村を資金源としたプログラムです。

もっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。http://savekidsjapan.blogspot.jp/2014/02/ethos-leader-accused-takenouchi-of.html